キャラクター設定

 小説創作を始めるに至り、最初にキャラクターを設定する必要が出てきます。
 また、キャラクター設定は、新しいキャラクターの登場予定の度に行う必要があるでしょう。
 ここでは、そういったキャラクター設定について、説明させていただきます。
 なお、キャラクター設定を登録される際の注意事項については、基本ルールページ内、「キャラクター登録」をご覧ください。
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主人公

 多くの方の場合、キャラクターを作る上で最初に設定されるのが主人公だと思います。
 皆さんが作品を書くにあたり、一番に頭を捻り、また楽しいと思われるのもこのキャラクター作りでしょう。ここでは主人公を作成するに当たっての大まかな方向性を示したいと思います。

 まず最初に「ORACULAR-WINGS」における「良い主人公」の評価基準は「読者の印象に残るキャラクラター」と言っても良いでしょう。いかにして、鮮やかな印象を読者に与えるキャラクターを作り出すか、それこそが主人公作りの最大のポイントとなります。

 オリジナルキャラクターを用いた「ORACULAR-WINGS」では、各参加者全員が魅力的なキャラクター達を数多く創作します。
 そのような個性豊かなキャラクター達の中、自分のキャラクターが彼等の存在に呑まれないようにする為には、それなりの手間と工夫を必要とするでしょう。
 いかに『フルメタル・パニック!』という世界内で高い能力値――高い戦闘能力や天才的な頭脳、豊富な人脈――を持っていても、それだけで読者に鮮烈な印象を与える事は不可能です。
 むしろ、そういった『参加者の大半が使いたがるであろう設定』というものは、他の主人公達やオリキャラに埋もれてしまう可能性が大きく、場合によっては逆効果になりかねません。
 逆に、「勉強も運動も駄目だけど、恋人の為に体を張れる男子高校生」といった設定の方が、より味わい深いキャラとして読者に記憶されやすいのです。

 文章系全般に言える事ですが、とりわけ「ORACULAR-WINGS」のような、他の参加者との共通の世界内では、「能力的に凄いキャラクター=良いキャラキャラクター」という法則は成り立ちません。逆に「能力的に秀でていなくとも、一本芯が通ったキャラクター」の方が感情の移入がされ易い分、良い作品となりやすい事を理解して頂ければ幸いです。

 ちなみに、参考までに印象深いキャラ作りの際の留意点として、絶対ではありませんが以下の3点に注目すると良いでしょう。

・作品、及び主人公が何をしたいのか(テーマ)を予め決めておきましょう。
・没個性的となるので、出来得る限り人と同じ事をしないように心掛けましょう。
・欠点の無い人間というものは存在しないため、現実味を出すために敢えてキャラクターに欠点を作るようにしましょう。


 この3つを念頭に入れたキャラクター作りを心掛けるといいかと思われます。
 これが設定の全てではありませんが、創作に慣れていないうちは、頭の隅にでも留めておくと良いでしょう。


主人公と異性の恋人役(ヒロイン)について

 
 物語で、主人公の恋人役を俗にヒロインと呼びます。女性主人公の場合、多少の感覚的な食い違いが生じますが、男性のヒロインも存在するという認識でご覧下さい。
 ヒロインというものは、主人公と対になる重要なポジションです。その性質上、大半の物語では主人公と並ぶ重要なキャラクターとして位置付けられる事が多いでしょう。
 その上で、まず最初に、恋愛物でも無い限り、ヒロインは必ずしも必要ではない、と言わせてもらいます。
 恋人役、ヒロインといったものは無理に設定する必要は存在しません。

 極端な話、恋人的存在がなくても話の進む物語は、現実として数多く存在します。また、そのような物語にとっては、ヒロインという存在は単なる重しにしか過ぎず、むしろ省いた方が、話がすっきりして読み易くなる場合もあります。
 その上で、敢えて設定するつもりがあるのであれば、作品というシリーズの中で、物語の進行上における役割を持たせる必要があるでしょう。
 ヒロインを出す場合、「このキャラクターがいなければ話が進まない」、そのようなキャラクターでないのであれば、そのヒロインは「ただ居るだけ」という、酷く印象の弱い存在になってしまうでしょう。

 居ても居なくても話の進行には何ら関係しないキャラクターは、ただの大道具に過ぎません。そのような存在は、物語の重しとなってしまいます。

 ヒロインを設定する際は、まず「物語にどう関与させるか」を第一に考えるべきでしょう。  その上で、書きたい物語に必要ないと判断したのならば、無理に設定する事はありません。

   その上で、ヒロインの設定を作るのであれば、留意点として以下の3点に注目すると良いでしょう。

・「ただ居るだけ」のキャラクターとならないように、主人公(物語全体)にとってのヒロインの位置付けを予め決めておきましょう。
・主人公の時と同じく、没個性的となってしまうので出来得る限り人と同じ事をしないように心掛けましょう。
・ヒロインだって人間ですので、自分の意思を持っています。主人公に都合が良いだけのヒロインは作らないようにしましょう。





その他のキャラについて


 当然ですが主人公とヒロインだけでは、物語というものは成立しません。
 物語を進めて行く上で、脇役という存在が必要になってきます。
 脇役といっても役割は重要であり、彼らが魅力を発揮する程に物語は彩られ、そして躍動感を増していきます。  逆に、脇役が上手く描かれていない作品は、如何に魅力的な設定の主人公でも、どうしても最終的な印象が弱くなってしまう傾向があります。
 つまり、脇役に魅力があれば、主人公の魅力的な一面が更に引き出され、その物語は印象に残りやすくなるといえるでしょう。
 その上で、いわゆる「主人公を食ってる」と言われるような印象の強い脇役を作るのが大事になってきます。

 脇役とはいえそれは人間です。(稀に例外もありますが)  つまり、悪役であろうと味方であろうと、そのキャラクターは必ず、自分なりの行動指針を持っています。
 具体例を上げても「金が全て」、「権力欲」、「友情」、「信念」とその行動指針は無数にあり、それぞれ違う種類のキャラクターが作成可能です。
 キャラクターを作る際はまず、その人物がどういった行動指針を持ち、どう動くのかを決めましょう。

 話の流れや展開に流されず、キャラクター自身の行動指針に従って動く。
 それが「生きたキャラクター」として印象付けられる脇役です。
 脇役を作る場合はキャラクターにそれぞれの明確な行動指針を持たせ、それを曲げないように気をつけましょう。


(文責:柳生兵介氏)
※多少、修正を加えさせていただいております。


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