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 ■鋼のクッキング・タイム■


 『いつも瞬君に料理を作らせるのは気が引ける』ということで、今日は梢ちゃんが料理に挑戦しました。
彼には「わたしに任せておいて」と言っていますが……。

 あ、とりあえずご飯を洗いだしましたね。どこぞの保健教諭みたいに洗剤で洗うなんてマネはしないようです(笑)。
1.5合を水でしっかり……って、水が白く濁らなくなるまで洗ったら、ご飯の味が落ちるんですけど……。
水の分量間違ってましたし……。2合くらい入れてましたね。
 今度は煮魚です。……やっぱり魚に触るのを嫌がっていますね。まあ、生臭いしぬるぬるするので気持ちは分かりますが……。
 あっ! 内臓どころかゼイゴもウロコも取らずに鍋に放り込みました! 大変です、それで大丈夫なのでしょうか?
 本人はあまり気にしていない様子です。もしかしたら、ウロコは取るものと知らないのかもしれません。
 今度は味噌汁ですね。水を火にかけて…… 沸いてきましたね。ですが、ダシはどうしたのでしょう? 
 忘れているようですね。本人は気にせず味噌を……「どばっ」と入れています。
 普通、おたまの上で溶かすんですけど……。 
 さて、次は具を入れるようです。
 千切りにしたニンジンや短冊切りにしたタマネギなど……ここらへんは、問題ありませんね。
 フタをして、しばらく火にかけて……完成です。
 野菜はほうれん草のおひたしにしたようです。……あの〜、ほうれん草は茹でるんですけど……。
お湯を上からかけたって、そんなに柔らかくはなりませんよ……。
 ……ともかく料理は全品完成、難しい顔をした瞬君が試食に入ります。
 まずはご飯……ではなくお粥です! 「私は病人か?」などと小さな声でつぶやきながら食べています。健気ですね〜。
 次は煮魚を……って、煮汁の上に浮いている大量のウロコを見て絶句していますね。それでもウロコをどけて身を……食べたとたんにお粥をかき込んでいます。どうやら醤油を入れすぎていたようです。これは辛い!
 それ以上煮魚には手をつけずに味噌汁を……一口すすった瞬間、不思議そうな顔をしました。ダシがない上に味噌が
底にたまっているため味がないのでしょう。それでも具を平らげて、汁を飲み干そうと……したんですが、
突如むせかえりました。底にたまっていた味噌の塊を飲み込んでしまったようです。
 とりあえず水で口直しをして……ほうれん草のおひたしに箸を伸ばします。が、茹でていないためほとんど生ですね。
苦労して、ぼりぼりと食べていますが……かなりきつそうです。

 さて、それでは戦い抜いたボクサーのような状態になった瞬君にコメントを頂きましょう。
「梢……。料理を作るときは、私に言ってくれ。ちゃんと作り方をおしえてやるから……」
 はい、ご苦労様でした。次は彼をノックアウトした梢ちゃんに一言。
「……あの……。…………シュン、ごめんなさい……」
 意気消沈気味ですね。

 ともかく、御崎家の台所からお送りしました〜。


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