■「ネット長文はダメ」とよく聞くが……さて?■
さて、すっかりコラムでなくてSS論になってしまいつつあるこのコラムですが、相変わらず今回の話題も文章についてです。
現在、ネットでのSS・読み物系の意見を聞くと、『ネット上のSS・小説は短めであるのが良い』がほとんどでありますが、敢えてここでそれに異を唱えてみたいと思います。
さて、よくテキスト系のページを読むとネットでの長い小説・SSについて、書き手の否定的な意見をよく見ます。
曰く、『ディスプレイで長い文章は読み辛い』
曰く、『気軽には読めない』
曰く、『流し読みしかできない』
確かに、それらは間違ってはいないとは思います。
その意見を書いた人だって読者ですし、ネットでの長い文章は、読者の意見として敬遠される性質があるんだとは思います。
しかし、それについてひとつ突っ込んでみます。
間違ってはいないかもしれないけど、物書きがそれを言っていいの?
間違ってはいないかもしれないけど、読者に読ませるという事を諦めていいの?
ちょっと違うかと。
どれだけ読ませるのが難しい文章形式だとしても、読ませる努力を放棄して「長文って形式はネット上ではダメだよね」と結論付ける。
それは、書き手として決して褒められた物ではないのではないかと。
どれだけ「長文だけで敬遠する」人がいたとしても、例えプロの力量でも無理だとしても、読ませることを諦めて『分野そのものを否定する』ということをしても良いという道理は通らないだろうと。
確かに最終的にその読者に読ませられないのなら、個々においては『長文はダメ』なのかもしれないけど、それにしても書き手が言っていいセリフではないのではないかと。
ネットでの長い文章の弱点を分析するのはまだしも、否定するのは『自分には長くてネットで読ませられる長文を書く実力がありません』と負け惜しみ言っているのと同じではないかと思ったり。
それはハッキリ言って見苦しいんじゃないかと。
逆を言うと『長文の弱点』を知りつつもそれでも『読ませるネット長文』を書こうとしつづける人は尊敬に値すると思いました。
弱点も考えずに書いている人は論外ですが。
要は、常に『自分の力不足』は自覚しておこうね〜って事。
分野には罪はないですよホント。
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