ORACULAR‐WINGS■
 ■クラウド・アイアンハート■    <4.5話>


ファイル#4.5「鮮烈なるスチール・オブ・ハート」
(チェックポイント:謎の横文字です。しかし、ファイルナンバーってなんですか)

彼はクラウド……クラウド・アイアンハート。
(チェックポイント:そこでためを作る意味を知りたいです)
彼については、もはや説明不要だろう。
(チェックポイント:しましょう、いやしなさい)
彼に関する数々の伝説、それを知らないものに、この物語を読む資格はない。
(チェックポイント:読んでほしくないんですか?)
クラウド・アイアンハート。彼はそういう男だ。
(チェックポイント:「そういう」といわれても、どこを指しているのやら……)

その日の朝、彼は襲撃してきたAS3機を軽く血祭りにあげ、そのまま陣代高校に登校していた。
(チェックポイント:どこからASが現れたんでしょうね)
 まったく、俺の勇姿をユフィにも見せてやりたかったものである。
(チェックポイント:いきなり一人称ですか)
(チェックポイント:FF7はもういいです)

突然。
(チェックポイント:本当に突然ですよ)

どっしぃぃぃぃ〜ん!
(チェックポイント:この方法は安直に使ってはいけません。神坂先生の作品を容易に想像させます)

誰かとぶつかった。
(チェックポイント:わかってます)
「貴様、超級武光破斬をくらって、塵と化したいか!」
(チェックポイント:それは典型的な悪役のセリフです)
「ご、ごめんなさい!」
ぶつかってきたのは、女だった。
(チェックポイント:さりげなく「俺は悪くない」と主張しています)
頬を染めながら、上目遣いで彼をみつめている。
(チェックポイント:あそこまでボロボロに言われて、その反応ですか)
(チェックポイント:いつのまにか三人称に戻っていますし)

気持ちは分かるが、彼は忙しい身である。忙しいとはいえ、女性を捨ておくのは彼の信条に反するので、手を貸してやる。
(チェックポイント:「気持ちは分かるが〜」の一文、視点がおかしいです。「俺は」なら、まだわかるんですがね)
(チェックポイント:相変わらずのフェミニスト(?)っぷりです。ところで、何が忙しいのですか?)

「ありがとうございます、あの……」
学校に向かおうとする彼を、彼女がひきとめようとする。
(チェックポイント:「彼」「彼女」と並べると、印象がなんだか抽象的になりますねえ)
「せめて、お名前を……」
問われて、クラウド。
「名乗るほどの名前はない。……そうだな、ウルズ666とでも覚えておいてくれ」
(チェックポイント:何をバラしているんですか、あなたは)
「ウルズ……トリプルシックス」
(チェックポイント:ダサい読み方ですね……)
彼は再び歩き出した。彼女の顔に見覚えがあるような気がしたが、そのときの彼は「気のせいだ」と思った。
(チェックポイント:一応、伏線のようです)
(チェックポイント:「彼女の〜」の一文、前半は主観的なのに、後半が客観的です。これまた視点がおかしいというやつです)


ざわ、ざわざわざわ……。
(チェックポイント:今度は「カイジ」をパクってます)
(チェックポイント:で、ここはどこですか? 登校したら、教室にいるはずというのは、思い込みですよ)

「は〜い、みんな静かにしなさ〜い。今日は、転校生を紹介するわよ〜」
(チェックポイント:やっぱりね)
と神楽坂が言うと、扉から転校生が現れた。
(チェックポイント:と、扉からですか? 「扉の向こう」ではなくて?)
(チェックポイント:現れるのは「転校生」に決まっているのですから、もう少し違う情報を提示してください)

その顔に、見覚えがあった。
(チェックポイント:さっき、その表現使ったでしょう)
(チェックポイント:一人称じゃないんだから、主語を飛ばすとわけわかんなくなりますよ)

最新のCPUをはるかに凌駕する速度で、クラウドは記憶をたどっていく。そして、検索すべきデータを探し当てた、まさにその瞬間だった。
「佐伯佳那です。よろしくお願いします」
(チェックポイント:出ました、姉妹ネタ!)
(チェックポイント:しかも、同い年! 双子ですか?)

そう、彼女こそ、先ほどクラウドにぶつかってきた女であった。
(チェックポイント:やはり、相手に責任を押し付けています)
(チェックポイント:で、つい先ほど出会った人物を思い出すのに、どれだけ時間をかけていますか。それほど優秀な頭脳を用いて)
(チェックポイント:しかも、佐伯恵那の姉妹を見て、その場で気付かなかったというわけですな。伏線が逆の意味で効いています)

その佐伯佳那が、彼を追い求めて陣代高校に転校してきたというわけである。
(チェックポイント:根拠もないのに、勝手に断定しないようにしましょう。それはそうとして、マジに転校してくる理由がないですね)
「席はそうねえ……。クラウドくんの隣にしましょう」
(チェックポイント:ここまで御都合主義を通されると、かえって潔いような気もしてきます)
「……ポッ」
(チェックポイント:世の中に「ぎくうっ!」という人がいないのと同様で、こんなこと口に出して言う人は、ほとんどいません)
佳那は隣に座り、クラウドに話しかける。
「あなたが、クラウドさんだったんですね。想像通りです。姉さんが愛してしまったのもわかります……」
さすがは恵那の妹。人を見る目がある。
(チェックポイント:どこに「さすが」を感じてますか、どこに)
(チェックポイント:語り手がクラウドに肩入れしすぎなのですよ。だから、全体的にナルシスティックになります)

こうして、彼女は彼の彼女になった。
(チェックポイント:過程をとばして答えだけ書いても、数学の問題では点数をくれませんよ)
(チェックポイント:やっぱり、「彼」だの「彼女」だのをずらずらと並べると、ぶさいくな文章になりますね)


幸せな日々だった。
(チェックポイント:それを具体的に書いたほうがおもしろいと思います)
しかし、そんな日々も長くは続かなかった。
(チェックポイント:あえてみんなが避けるようなベタな表現を使っていますね)
「しっかりしろ、佳那!」
ベッドに横たわる佳那に呼びかける彼。
(チェックポイント:この「彼」がクラウドくんのことだとは思えないのは、私だけでしょうか?)
「うぅん、大丈夫……。やさしいのね、クラウド。そんなあなたが、大好きよ……」
(チェックポイント:なんだか、読んでるこっちが恥ずかしくなってきます)
そんなありきたりのセリフなど、聞きたくはない。
(チェックポイント:だから、これは一人称的な表現ですってば)
(チェックポイント:しかし、これでようやくクラウドくんらしさが戻ってきましたね)

「お前の病気を直す方法はないのか」
(チェックポイント:佳那はロボットですか?)
「……ないわ。私の身を襲っている病気は、『グエンディーナ型突発性分裂症候群』だもの。千年にひとり、発症するかどうかもわからない、謎の奇病。これを癒すためには、『世界樹の葉』を煎じて作った幻の薬、『ニョスパヒドゥオーラ』が必要とされているの……」
(チェックポイント:なんでそんなに詳しく説明できますか)
(チェックポイント:「まじかるアンティーク」までネタに使ってます。薬の名前も、なんだか「クトゥルー」っぽいですし)
(チェックポイント:ところで、治療法はなかったのでは?)

「わかった、取りに行かせよう」
(チェックポイント:自分で行きましょう)
「いけないわ! 『世界樹の葉』があるとされる森は、悪魔の聖地なの! もし、あなたを失ってしまったら、私は……」
瞳を潤ませる佳那。
(チェックポイント:だから、クラウドが行くとは言ってません)
(チェックポイント:「悪魔の聖地」というのも、すごいですね)

「心配するな。お前は、俺のものだ」
(チェックポイント:根拠になってません)
「クラウド……」
そして、佳那は安心して眠りについた。
(チェックポイント:安心したかどうかは、佳那にしかわからないことでありまして……)

「断る」
(チェックポイント:状況説明もなしに、いきなりこんなセリフをもってこられても)
宗介は断った。宗介のくせに、生意気である。
(チェックポイント:「断った」のはわかってるんですってば。あと、「断る」は他動詞ですから、目的語にあたる言葉を入れないと、すわりが悪くなりますよ)
(チェックポイント:それにしても、すきあらばパクってますね)

「お前なら、そういうと思った」
クラウドは不敵に笑った。
(チェックポイント:すでにやる気まんまんです)
「ならば、『行く』と言わせるまでよ」
「笑止!」
(チェックポイント:どっちが悪役かわかりません。いや、宗介はもともと悪役じゃないですね)
(チェックポイント:というか、宗介が別人になってますよ)

それが、宗介の最期の言葉となった。
(チェックポイント:殺してどうするんですか。しかも、本編キャラを)
「……コンマ008秒か。奴にしては善戦したほうだったな。惜しい男を亡くした……」
 かつての戦友に弔いの言葉をかけるクラウド。
(チェックポイント:実のところは、単なる自慢です)
「死んでしまっては仕方ない。自分で行ってやるとしよう、『涙の荒野』へ」
(チェックポイント:いつだって「俺は悪くない」んですね)
(チェックポイント:ところで、荒野に森があるんですか? そもそも、『涙の荒野』ってなんですか?)

クラウドは、かつては相良宗介だったモノに背を向け、歩き出した。
(チェックポイント:敬意もへったくれもないです)
「さらばだ相良。貴様のことは忘れない……」
(チェックポイント:心がこもっているように感じられませんよ……)

クラウドは歩きつづけた。三日三晩。そして、気付いた。
「『涙の荒野』は、いったいどこにあるんだ?」
(チェックポイント:アホです……)
とりあえず、交番でたずねてみた。が、そこにいた無能な警官は、調査に一時間を費やしたにもかかわらず、それを発見できなかった。
(チェックポイント:こんな与太話に一時間もつきあってくれたお巡りさんに感謝しなさい)
交番を出たクラウドはつぶやいた。
「こんなとき、あいつがいれば……」
「ウフフ、どうしたんですか、クラウドさん」
「お、お前は!」
振りかえると、やつがいた。
(チェックポイント:とにかくパクります)
「テレサ……」
テレサ・テスタロッサ。運動神経皆無のドジ女である。
(チェックポイント:どうやってテッサがここまでやってきたかは、あえて問いますまい。だって、ここがどこかもわからないし)
(チェックポイント:それにつけても、ひどいキャラ紹介……)

「もう、クラウドさん。ふたりきりのときは、そんなふうに呼ばない約束です」
(チェックポイント:えらく尻が軽いテッサですね)
「そうだったな」
そして、クラウドは呼びかけなおす。
「アンシー……」
(チェックポイント:本編キャラにナンセンスなニックネームをつけてはいけません。まあ、オリキャラでもそうですが……)
(チェックポイント:しかも、元ネタありですし。テッサとどうつながるんでしょう?)
「クラウドさん……」
「……」
「……」
「……」
「……」
しばらく「キックオフ」状態にはまり込んでしまう二人。
(チェックポイント:みなさん知ってますか、「キックオフ」? 「永井くん……」「由美ちゃん……」)
「む、いかん。今は、愛する佳那のために、『世界樹の葉』を取りに行く途中だった」
(チェックポイント:いや、本当に愛ってなんでしょうね)
「ええ、話は聞きました。そのために、わたしは来たのです」
(チェックポイント:クラウドが宗介を殺したという話ですか?)
「さすがは、ウィスパード」
「そういうことです」
 テッサは鼻高々にうなずく。
(チェックポイント:ウィスパードは関係ありません)
(チェックポイント:あと、もうこれ以上キャラをおとしめるのは勘弁してください)

「そして、今こそウィスパードの真の力を解放するとき。そう、その力によってあなたを『涙の荒野』のある異世界、『マリポーサランド』へと導くのです!」
(チェックポイント:真の力のほうが、しょぼいような気がします)
(チェックポイント:テーマパークみたいな名前の異世界ですね)

そして、儀式がはじまった。
「……Asferionsholxandhivon……」
(チェックポイント:いまさらながら、フルメタの世界観ってどんなでしたっけ)
呪文を詠唱しつづけるテッサ。クラウドのために全身全霊をかけて奉仕する姿は、とても美しい。
(チェックポイント:しょせんクラウド賛美です)
「……psybhelijaqueliliarl……はぁ、はぁ……」
「どうした、アンシー!」
(チェックポイント:律義に引きずってます)
「な、なんでもありません……くっ!」
テッサは苦しかった。しかし、異世界へと通じる扉は、まだ5センチほどしか開いていない。
(チェックポイント:「苦しんでいるように見えた」とかじゃないですか?)
こんなときに、何の手助けもできない自分がはがゆいクラウド。
「こんなとき、あいつがいれば……」
(チェックポイント:他力本願)
(チェックポイント:ついさっき、同じこと言ってましたし)

「クラウド……」
そのとき、どこからともなく声が聞こえてきた
「お、お前は千鳥!」
クラウドが見上げると、空にはかなめの幻影が映っていた。
「そう、私よ。あなたのために、戻ってきたの」
(チェックポイント:かなめの一人称は「あたし」だったりします)
「そ、そんな。死してまで俺のために……」
(チェックポイント:い、いつのまに?)
「テッサ……、やりましょう」
「ええ、かなめさん」
そして、ふたりの呪文が輪唱(ハモ)った。
(チェックポイント:緊迫感に欠ける描写ですこと)
(チェックポイント:だいたい、輪唱と和声は違うでしょう)

見る間に、扉が広がっていく。
やがて、それが完全に開ききったとき。
「さようなら、クラウドさん……」
「な……どういうことだ、アンシー!」
 見ると、テッサの姿は消えかかっていた。そして、半透明状になったテッサの姿がゆっくりと天へ昇っていく。
「アンシー、お前まで俺のために……」
「何も言わないでください、クラウドさん。私は、あなたのために死ねて本望です」
テッサは、まるで天使のように微笑んだ。
(チェックポイント:芸のない比喩です)
「かなめさん、ヴァルハラで待っていてくださいね」
(チェックポイント:ぎんえいでん)
「ええ、お互いにクラウドに対する愛を語りあいましょ」
(チェックポイント:ここまでくれば、お約束です)
「ウフフ、そうですね」
そして、ふたりの姿が消え失せた。
「アンシィ〜! ちどり〜!」
(チェックポイント:その名前を絶叫されても困ります……)
クラウドは、異世界へと旅立った。
(チェックポイント:余韻も何にもなしですか)

ここは、異世界「マリポーサランド」である。
(チェックポイント:あいかわらず唐突です)
クラウドが現地の連中にたずねてみると、『涙の荒野』は降り立った街のはるか北にあることが判明した。
(チェックポイント:言葉はちゃんと通じてるんですか?)
(チェックポイント:それに、「連中」って……)

そして、過酷極まりない旅の末、クラウドはいま森の奥にある『世界樹』の前に立っていた。
(チェックポイント:相当はしょってます)
(チェックポイント:荒野の中に森があるという謎も、解決されてませんし)

「ふう、これで佳那の『グエンディーナ型突発性分裂症候群』を治療することができるぞ」
(チェックポイント:病名なんて、いまさらどうでもいいですから)
と、クラウドが葉に手をかけた刹那、
(チェックポイント:「刹那」って、なんとなくかっこいい言葉ですよね)
「待てい!」
 樹上に敵が現れた!
(チェックポイント:早くも敵と断定してます)
「何者だ、貴様!」
「フッフッフ、私はシブーイ・カキノフスキー閣下直属の配下のひとり、ジューン・ヒワッサーだ!」
(チェックポイント:うわっ、他人のハンドルネームを使用してますよ! しかも悪役!)
「なるほど、貴様がこの森に棲む悪魔と言うわけか」
「その通りだ! クラウドよ、我が悪の力を受けてみよ!」
(チェックポイント:なぜかクラウドの名前を知っています)
(チェックポイント:自分で自分のことを「悪」と言い切れるのもすごいです)

ジューンは、背中に生えた翼をはためかせ、急降下してきた。そして、
「必殺、烈震獄炎斬!」
と叫び、33発の光弾を放ってきた。
(チェックポイント:技の名前と実態とが一致してません)
 しかし、
「甘い、貴様の技はすでに見切っている!」
(チェックポイント:「すでに」って、いつです?)
クラウドはその光弾をすべて紙一重でかわしてみせた。
「ば、馬鹿なあ!」
「それだけか? それでは、これでジ・エンドだ」
(チェックポイント:それ、やっぱり悪役のセリフですし)
「お、お助けを〜!」
(チェックポイント:いきなり雑魚化してます)
クラウドは、恐怖に歪んだ顔で逃亡するジューンに、必殺の一撃を放った。
「奥義! 超級武光破斬!」
「ひぎゃーっ!」
ジューンは絶命した。
(チェックポイント:展開も描写もあっけなさすぎ……)
「一撃で決めてやったのがせめてもの慈悲だ。感謝するんだな……」
(チェックポイント:偽善者)
と、思いきや。
「ぐおおぉぉぉぉー!」
「な!」
突然、ジューンが巨大化した。
(チェックポイント:戦隊モノでおなじみ)
「くっ、ならばこちらも! 来い、『バハムート』!」
(チェックポイント:『フルメタだから、ASは使っておかないといけない』という勘違いです)
地面が裂け、「バハムート」が姿を現す!
(チェックポイント:ここ、異世界なんですけどね、今さらですが)

BGM:「クラウド・アイハンハートのテーマ」
曲・詞・編:クラウド・アイアンハート

世界が闇におびえてる
悪魔の叫びがこだまする
そんな世界を救うため
光の戦士が現れる
アイアンハート!
鉄の心を持つ男
アイアンハート!
真実(まこと)の愛を知る男
奥義は超級武光破斬
操る愛機はバハムート
彼こそ最強 彼こそ正義
クラウド・アイアンハート!

(チェックポイント:呆れるのを通り越して、感心してしまいます)

バハムートに乗り込んだクラウドは、まずジューンのようすをうかがう。
「しぎゃ〜っ!」
ジューンの姿は完全に異形のそれと化し、もとの面影などわからなくなっている。
(チェックポイント:「もとの」って言われても、もとがどんなのだったか知りませんよ)
「あわれな……。こうなってしまってはおしまいだな。仕方ない、俺が引導を渡してやろう」
(チェックポイント:偽善者その2)
ジューンは、力任せに突進してきた。それを、バハムートは空気投げの要領でいなす。
「いかに間抜けな貴様でも理解できただろう、俺と貴様との実力差を。これ以上は時間の無駄だ。さらばだ、ジューン」
バハムートが放った超級武光破斬の前に、今度こそジューンは分子のチリとなった。
(チェックポイント:本当に、AS出したかっただけですね)
(チェックポイント:ところで、ジューンは本当にクラウドと戦う必要があったのでしょうか)


クラウドはもとの世界に帰ってきた。
だが、
「一足、遅かったですな」
「佳那〜!」
幻の秘薬「ニョスパヒドゥオーラ」を手に病院を訪れたクラウドに、医師は冷たく宣告した。
(チェックポイント:誰が薬を作ったんでしょう?)
「どけ!」
クラウドは医師を押しのけると、口移しで佳那に「ニョスパヒドゥオーラ」を与えた。
(チェックポイント:絵的についついやりたくなってしまうシーンですね)
すると、
「……」
奇跡が起こった。
(チェックポイント:この言葉を捧げましょう。「起きるから、陳腐って言うんですよ」)
「……クラウド」
「佳那!」
佳那が目を覚ました。まさに、愛の奇跡である。
(チェックポイント:陶酔しちゃってます)
「……ありがとう、クラウド。また会えるなんて思わなかったわ」
「なにを言う。前にも言っただろう、『お前は、俺のものだ』と」
(チェックポイント:だから、理由になってないですって)
「でも、私はもうだめだわ……。自分でわかるもの。きっと、神様が最後にクラウドにお別れを言うために時間をくれたのね」
「な、何を言ってるんだ!」
「聞いて、クラウド。私が死んだら、私のことは忘れて。あなたほどの人だもの。きっと、私よりもふさわしい人が現れるわ。あなたは、その人ときっと幸せになってちょうだい。それが、私の最後のお願い……」
(チェックポイント:なんて都合のいい女なんでしょう)
その言葉を遺して、佳那はこときれた。クラウドは、
「佳那、やはりお前は俺を理解していたな……」
と言って、病室をあとにした。
(チェックポイント:死者に未練なし)
 
こうして、世界の平和は守られた。
(チェックポイント:誰も乱してません)
 しかし、シブーイ・カキノフスキーが地球侵略計画を発動せんとしていたことなど、このときのクラウド・アイアンハートには知るよしもなかったのである……!
(チェックポイント:えっ、次回まで引くつもりなんですか?)


あとがき

全国1000万人のクラウドファンのみなさん、お待たせしました。「クラウド・アイアンハート」の新作です。
(チェックポイント:ありがちですね)
今回は、たくさんの死者が出ましたので、泣けるシーンが多かったと思います。
(チェックポイント:キャラが死ねば感動できるというのは勘違いです)
また、実在の人物をアレンジして登場させる手法は、我ながら実に斬新だったと思っています。
(チェックポイント:失礼だから、誰もやらないだけです)
では、また。次回もクラウドと地獄に付き合ってもらいます。
(チェックポイント:最後までパクリ)




本当のあとがき

日和佐潤です。どうもです。
自分で書いていて、とても情けなくなるものができました。これも、クラウドくんの偉大さのおかげです(笑)。あと、ハンドルネームを貸してくださった渋井さんに多謝です。
方向性としては、「ダメな小説批判」のつもりで書いています。だから、その前提で読まないと、不快感を催してしまうかもしれません。まあ、催したのなら、成功と言えなくもないのですが……。
まあ、私の知る限り、ここまでダメな小説はありません。ただ、一部分においてこの手の欠点をかかえているということなら、それは少なくないように思います。この小説は、それを判別するための「鏡」だと考えていただければ幸いです。間違えても「鑑」にはしないでください(笑)。
それはそれとしてこの作品、ところどころ私自身の趣味が入っているので、パクリ小説という要素も少なくないです。一応、安直なパクリ批判という側面も持たせているのですが、後半のほうはかなりノリノリで書いてしまったので、むしろ私が批判されるべきなのかもしれません(笑)。
それでは、また小説を書く機会がありましたら、よろしくお願いします。


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